ヨロコビの感じ方。

先日、大学卒業後に入社した会社でお世話になった大先輩と久しぶりに食事をしました。彼は中国から日本の美大に入り、そのまま日本人として DTP、WEB の現場第一線を走ってきた人。齢50を迎える雰囲気を感じさせないパワーに、懐かしさと何となく嬉しさを感じつつ、あまり美味しくない中華を食べました。

彼には今、美大を出たばかりの新人デザイナーが1人ついているそうです。スピード不足は否めないものの、与えられた仕事を正確に且つ丁寧にこなしているのだけど、彼は新人くんに納得がいかないという。

おれが仕事を始めたころは、先輩の手伝いばかりだった。所謂、下積み。だからこそ、初めてデザインを1つ任されたときの喜びは、今でも忘れられない。それは確実に、今まで、これからの自分の支えとなる気持ちの1つだ。だけど、今の連中は自分の手仕事に喜びを感じていない。だから自分のクリエイティブに熱くなれないんだ。

と。下積みの要・不要は別として、自分の手元にある仕事に対して喜びを感じる人も、喜びの濃さも薄くなっているのだろうと、私も思います。それは、単純に作り手として社会人としての情熱が冷めているからではなく、技術やアプリケーションが成熟することで、早い内から、それこそ学生の時分から、作る喜びと、それによるある程度の達成感を得てしまっているからなのかもしれません。

モノ作りにこだわり、作り込むことに辛さと喜びを感じていた時代から、質より量の風潮にさらされる今、自分は何にヨロコビを感じたいのかを考えてみるのも必要なんだと思います。そして、それを感じさせてあげることも。

グリーの対キャリア戦略。

元ドコモの夏野剛氏、グリーの社外取締役に就任が正式決定したようだ。

グリーといえば、一時期の低迷期を乗り越え、モバイル上での無料ゲーム(アイテム課金) の成功でいわずと知れたいま右肩上がりの企業だ。グリーは元々 au(KDDI)との親和性が高く、デフォルトアプリとしても au 端末に搭載(EZ GREE)されるほどだった。

それが今回、 とは言え、ドコモのトップにいた夏野氏を社外取締役に迎え入れる形となった。この動きが意味するところは何だろうか?

gree の現状、市場動向を鑑みても、モバイルでのユーザの獲得、市場の拡大を進めることに異論を挟む余地はない。夏野氏の持つドコモ、ドワンゴでの経験と対海外戦略を gree に取り入れ、船首を内から外に転換する日も近いのかもしれない。

ビルコム x カヤック = mixi アプリ万歳?

ビルコムカヤックが、mixi アプリの企画・開発・PR の代行サービス「SNS アプリ PR」を発表している。

 via: ビルコムとカヤック、「mixi」アプリの開発・PR代行を開始

先日 PC 版の正式リリースが行われた mixi アプリの市場で、企画から開発・PR まで丸ごと代行するというものになる。クローズドベータの頃から、mixi アプリ市場に期待するデベロッパー企業は多かったが、立ち上げから運用までをパッケージとして代行するサービスを発表したのはこの2社が初めてではないだろうか。

PR 会社であるビルコムと、面白法人カヤックがタッグを組むことにより、サービスにおける2社の役割は明確だろう。しかし、なぜカヤックはビルコムと組んだのだろう。完全に私の主観では、カヤックの企業スタンスとバイタリティを持ってすれば、PR についても十分にまかなえるのではないか、と思う。そこには、カヤックならではの PR の仕掛け方への期待があるからだ。もちろん UNIQLOCK をはじめとしてたくさんの web サービスの PR 実績のあるビルコムなだけに「餅は餅屋」なのかもしれないが、メインフィールドではないカヤックがそれをすることに、カヤックのイメージがあるような気がする。

なんにせよ、何かやってくれることに疑いの余地はない。

Flash for Mobile.

Nokia N900

ついに Flash Player 9 をフルサポートするケータイが発表されてます。
Nokia のスマートフォン「Nokia N900」。

日本市場では、まだ十分な市民権を獲得できていないスマートフォンなので、コンテンツやサービスプロバイダにドラスティックな変化は無さそうだけど、いずれどのケータイもフルサポートの Flash(swf) が動くようになるんでしょう。そう遠くない未来に。

そうなると、現状のモバイルコンテンツの Flash デベロッパー(Flash lite ゴリゴリの方)の現場は、どこかでフルサポートの開発にシフトする必要性に迫られる。基本的に Flash lite 市場のメジャーバージョンが ver.1.1 や ver.2 だったりで、最新バージョンの Flash(AS3)と比較すると、単純に言語仕様も作り方にも差がでてくる。

また、これによって Flash lite の必要性がなくなると、モバイルと PC のデベロッパーの棲み分けがなくなるのは必至。ゲームや映画、CM 業界から、Flash(PC)市場に人が流れてきたのと同じように。 PC は PC で HTML5 によって Flash の持つアドバンテージが薄れると囁かれる中、Flash コンテンツ全体の市場価値は、モバイルでのフルサポートにかかってくるのかもしれない。

ケータイ鎖国して国内でキャリア対決してる場合じゃなく、キャリア各社もガツンとすごい端末を期待してます。

777 塾 塾生のハードル。

福田敏也氏の私塾である 777 塾が、秋の新規塾生の募集を開始していた。

福田氏といえばいわゆるマス広告のスゴい人という強いイメージがあったのだけど、今はウェブからショップなんかのブランディングまで手掛けてしまう、やっぱりスゴい人。

777 塾は、そんな福田氏が若手育成の場として開いている私塾。今までは氏と何らかの繋がりのある人だけに限られていたが、今回は広く人を募ってます。

条件は「30歳までのクリエイター」。ギリです。

応募は 9月8日 まで。
鳥取県を活性化させる企画が選考対象となるので、しっかり考えよう。