2009年7月 のアーカイブ

Spark project 勉強会 #11 に行ってきたよ。

2009年7月29日 水曜日

Spark project の勉強会に行ってきました。

Adobe からも Steven Sacks 氏が来日中ということで、GAIA Framework についてのお話を聞けました。途中(というか最初から…?)、Sacks 氏の MacBookAir がプロジェクタにつながらないらしく、Adobe Connect でプレゼンをするという不思議な光景に。同一会場なのに(笑) Adobe Connect は、前職で拠点間ミーティングに使っていたので、ちょっと懐かしかったです。

さて、各プレゼンはこんなところ。

AS3 の Zip ライブラリを拡張したよ。 – 伊藤さん -

AS3 で zip ファイルの圧縮/解凍ライブラリである nochump を、かゆいところに手が届くように拡張しましたよ、というお話。
主な拡張ターゲットは、次の3つ。

  • 圧縮時のフォルダ構成の再構築
    3つのクラス ZipEntry、ZipFile、ZipOutput をゴニョゴニョしてました。
  • マルチバイト文字列を含むフォルダへの対応
    AS 側で勝手に UTF-8 変換してしまうので、OS の文字コードに強制変換する。
  • 複数の Zip ファイルから 1つの Zip ファイルの再圧縮への対応
    一旦各 Zip を解凍すると処理時間がかかりすぎるので、圧縮データ部のみを抜いて、ラップの Zip ファイルを構成する。驚異的な改善!

多量ファイルの通信が発生する時など、Zip ファイルの圧縮/解凍を組み込むことは時々あるので、nochump についてのこういった拡張情報を得られたのはありがたいです。いつか Spark にもコミットしてくれるとのことでした。

FLARToolkit を使ったお絵描きビューワー。 – 山田さん -

FLARToolkit を使って、恐竜の皮膚の色を塗って見てみようというもの。科学博物館などで、お子さま向けコンテンツとして人気のようです。目新しさというものはありませんが、ビューワーも恐竜のモデルも、年齢を問わず触りやすそうな UI でした。AR の案件というのも今後増えてくるのかなと思いますが、技術面だけでなく的確な UI を練ることも重要ですね。AS ネタの視点とズレていてすみません…。
また、Adobe での AR 熱もかなり盛り上がっているらしく、次回 MAX でも AR ネタのセッションが幾つか予定されているとこのとでした。

GAIA Framework 使ってよ。 – Steven Sacks さん -

海外では “Soup and Bread” と呼ばれるほど、そのお手軽さが高い評価を得て、ユーザが絶賛増加中らしい GAIA Framework についてのご紹介でした。GAIA Framework は簡単に言ってしまうと、Progression のようなもの。“スクリプトを書けないデザイナも、ギークなデベロッパも、GAIA を使えば簡単に SWF コンテンツが作れちゃうよ” というのが基本コンセプトでしょうか。

たしかに、短いデモの時間でもその手軽さは十分に伝わりましたが、ここまで Progression が浸透してしまった日本での普及は難しいのではないかというのが率直な感想でした。ただ、AS2 でもいける という点は良いですね。

Progression 4 の開発進捗報告。 – 阿部さん -

“Soup and Bread” に対して、”ごはんとみそ汁” なフレームワーク Progression ですが、今秋にはもうバージョン 4 のパブリックベータがアップ予定とのことでした。

気になる新機能として、次の3点が紹介されました。

  • シーン階層の自動調整
    シーンを外部ファイル化した場合に子のシーン(swf)だけを再生すると、シーン階層の相対パスが崩れてしまうので正常に動かないはずですが、この相対パス部を自動的に調整してくれるそうです。
  • アプリケーションのコンフィグ
    コンテンツの特性に応じて、BasicAppConfig、WebConfig、LWAppConfig(=LightWeight) などを指定することで、諸々最適化されるそうです。特に、LWAppConfig だとベースの swf サイズがなんと半分!ブログパーツの作成には有効ですね。
  • キャストコンポーネントのオートラベリング
    キャストオブジェクトをステージに配置した際に、コンポーネントに必要なラベルを自動的に配置してくれるというもの。コンポーネントプロジェクトをする人には朗報です。

あと1時間ぐらい余裕があったら、もうちょっとおもしろいお話が聞けそうでした。特に GAIA とか Progression とか。スピーカの皆さん、お疲れさまでした。

Google の選挙プロジェクトの使われ方。

2009年7月28日 火曜日

google

Google が展開する選挙プロジェクト「Google 未来を選ぼう2009」の衆院選スケジュールを明らかにした。

おおまかなマイルストーンは以下のとおり。

  • 7月28日:18時に質問の投稿・質問への投票を締切
  • 7月30日:投票数より 5つの質問を選出し発表
        :議員側からの回答動画の受付を開始
  • 8月15日:24時に回答動画の受付を終了
  • 8月17日:選挙情報サイト「未来を選ぼう衆院選2009」公開

先のアメリカ大統領選挙然り、今回の衆院選もウェブを利用したキャンペーンが少なからず得票に影響を及ぼすのは間違いないだろう。
Blog や Twitter に至っては、「Twitter議員」というコトバが wikipedia に載るほどに政界にも浸透している。

その状況での、今回の Google によるキャンペーン。新聞に15段ぶち抜きの広告まで展開するほどのチカラの入れようだ。

日本の議員(のブレーン?)は、どんな使い方を出してくるのだろうか?
漢字の読み間違いや女性問題のような、醜いネガティブキャンペーンの応酬にならないことを願うばかりだ。

なぜデザインなのか。

2009年7月27日 月曜日

「なぜデザインなのか。」を読みました。
原研哉さん、阿部雅世さんのデザインをテーマにした対談をまとめたものです。

「デザインをテーマに」と書いたものの、単にビジュアル的な造形についての対談ではなく、「デザインを学ぶことはどういうことか?」「デザインが生活とどう結びつくのか?」「デザインとどう関わるか?」といったことを、お二人の考え方をさらりとお話されている内容です。

デザインというと、どうしても造形の美しさにばかり注視してしまうような素人の私ですが、この書籍を読んでデザインに対する意識は少なからず変わったと思います。また、デザイナではないにしろ制作に携わるものとして、何かを作り出す際の関わり方の心得のようなものを、いま一度改めさせられました。
 
 
本当にたくさんのすてきな言葉がありましたが、いくつかを抜粋します。

コミュニケーションの仕事は「わかった」の先にある何かを芽生えさせること

一方でコミュニケーションの仕事は、先ほど言ったとおり「わからせる」ことが目標ではないんです。投げられた情報をキャッチして「わかった」で終わらせない。どきどきさせたり、ときめかせたり、新しい探究心を生んだり、そこに行ってみようと思わせたり、ともかく忘れられなくさせる。要は「そのこと」を考え続けてしまうような状況をつくること、受け手の脳をさらに活発に運動させていくことが重要なんです。

「なんとなく素敵」ではメッセージにならない

何もしていないように見えて、実は緻密に制御されている。猫の毛なんかでも、なんでもなく生えているようでも、ぜんぶの毛が一定の方向をきちんと向いている。 – (中略) – 木の葉は一枚一枚がすべて太陽の光を少しでも効率よく受けようと、意思を持って隙間なく生い茂っているから、樹として美しい。

あの人にも写真を届けよう picwing。

2009年7月26日 日曜日

撮った写真をメールで送ると、指定した住所に現像した写真を郵送するサービス 「picwing」。

「やっぱり写真は現像してアルバムに」、「おじいちゃんとおばあちゃんに孫の成長を写真で」という人は少なくないはず。
そんな人には、フィルム写真と比較してデジカメだとどうかといった点は別にして、その手軽さは素敵だ。
金額も、海外なので別途輸送費がかかるが、1枚当たり $0.20 だから、コンビニでデジカメプリントするのと大差ない。

これは写真をプリントするサービスだけれど、動画をメディアに焼いてラベリングまでして届けるのはムリだろうか。

例えば、結婚式。先日出席した式でも、iPhone で動画を撮ってるゲストがいた。
結婚式は顕著な例だが、写メやケータイムービーで他人を撮るのは、場の雰囲気だったりノリだったりすることが多いと思う。
そういう場合(私の場合)、消すに消せないデータが結構バカにならないぐらい溜まってしまう。データをあげる、というのが一番スマートな解決方法ではあるが、その「場」から遠ざかるほど、また時間が過ぎるほど、データへの熱量の冷え方も大きい。

これに対して、もし写真も動画も郵送してくれるなら、あまり深く考えずにデータを投げることができる。
YouTube やニコ動のセレクション DVD なんていうのも作れたらいいなぁ。

Ext JS 勉強会 (7月) に行ってきたよ。

2009年7月23日 木曜日

Adobe 依存なカラダになってはや4年。
前職を退いて、JavaScript や CSS、PHP や Rails 辺りの情報が全然溜まっていないことを痛感しています。

そんなわけで、何かと便利でおもしろい ExtJS の勉強会に参加してきました。

以下、概要と雑感。

Ext JS 実践開発ガイド

コンポーネントに対するローカライズに関してのお話でした。
まだ開発途上にあるらしく、現状は各ロケールファイルをロードするというもの。今後の課題として、ロケールの一括ロードによる通信の簡略化などが挙っていました。

また、Ext.ux パッケージへのコミットのススメ。
デベロッパが積極的なコミッタになることは、言語に依らずどの世界でも共通ですね。

Ext JS で 2ch 専ブラを作ってみたよ

ほぼ 2ch を見ないので正直なんともなネタではありましたが、フル Ext JS で作られたアプリを見たのは初めてだったので、今の JS スゴいなと単純に感激しました。Twitter ビューワあたりも自分色に作れそうです。

Ext JS で柔軟に開発を進める ABC

スピーカーの野村さんの会社での事例を元に、Ext JS をプロジェクトに採用することのメリットとプロジェクトを進めるに当たってのキモのお話でした。

メリットとしては、MVC の完全分離による分業の確立
プログラマ(ロジック:Model/Controller) と UI デザイナ(View) による開発体制でワイヤーフレームの作成から実装、単体テストまでの責任の所在を明確にできる、ということでした。

が、UI デザイナも Vi でゴリゴリコーディングしているらしいです…。これは Flash も然りですが、ロジックの組み込みと UI の作り込みの中間的なポジションがグレーで悩ましいところです。野村さんは良い意味で「どっちつかず」な人材という言い方をされていましたが、自分自身が割とピンポイントなポジションにいて、アイデンティティに悩んでいるので聞いていて若干複雑でした。

Ext JS フォーラムに参加して間もない状態での勉強会参加ということでしたが、興味を持つには十分な内容の2時間でした。
Ext JS の UI ビルダー的なアプリケーションがこなれてきたら、Ext JS なアプリやコンテンツを目にする機会もどんどん増えていきそうですね。