なぜデザインなのか。

「なぜデザインなのか。」を読みました。
原研哉さん、阿部雅世さんのデザインをテーマにした対談をまとめたものです。

「デザインをテーマに」と書いたものの、単にビジュアル的な造形についての対談ではなく、「デザインを学ぶことはどういうことか?」「デザインが生活とどう結びつくのか?」「デザインとどう関わるか?」といったことを、お二人の考え方をさらりとお話されている内容です。

デザインというと、どうしても造形の美しさにばかり注視してしまうような素人の私ですが、この書籍を読んでデザインに対する意識は少なからず変わったと思います。また、デザイナではないにしろ制作に携わるものとして、何かを作り出す際の関わり方の心得のようなものを、いま一度改めさせられました。
 
 
本当にたくさんのすてきな言葉がありましたが、いくつかを抜粋します。

コミュニケーションの仕事は「わかった」の先にある何かを芽生えさせること

一方でコミュニケーションの仕事は、先ほど言ったとおり「わからせる」ことが目標ではないんです。投げられた情報をキャッチして「わかった」で終わらせない。どきどきさせたり、ときめかせたり、新しい探究心を生んだり、そこに行ってみようと思わせたり、ともかく忘れられなくさせる。要は「そのこと」を考え続けてしまうような状況をつくること、受け手の脳をさらに活発に運動させていくことが重要なんです。

「なんとなく素敵」ではメッセージにならない

何もしていないように見えて、実は緻密に制御されている。猫の毛なんかでも、なんでもなく生えているようでも、ぜんぶの毛が一定の方向をきちんと向いている。 – (中略) – 木の葉は一枚一枚がすべて太陽の光を少しでも効率よく受けようと、意思を持って隙間なく生い茂っているから、樹として美しい。

コメント / トラックバック1件

  1. [...] 「生活が素敵になっていくものを作りたい。AR はその手段の1つ。」と。 先日読んだ「なぜデザインなのか。」でも原さんが書かれていましたが、デザインというものは生活を豊かにするためのものであるべきだということ。モノを作る以上、いつもその意識は中心に置いておかないといけませんね。 [...]

コメントをどうぞ