2009年10月 のアーカイブ

Web マーケティングセミナーに行ってきたよ。

2009年10月21日 水曜日

技評主催の Web マーケティングセミナー に行ってきました。
いわゆるウェブ業界に身を置いてきたものの、マーケティングを考える機会というのは少ないわけで、とても新鮮にお話を伺えました。

ウェブ解析によるウェブマーケティングのポイント 〜オムニチュア 安西さん

Adobe にバイアウトされて何かと話題のオムニチュア。ウェブマーケティングにアクセス解析を活用する場合、事前準備として何がポイントになるかというお話。

  • ユーザ行動を知る
    ユーザとサイトを大きく捉え、引いた視点で俯瞰する。
  • サイト内検索ワードを分析する
    「検索ワードが何なのか?」ということだけでなく、「結果が無かった検索(ゼロ検索)は何か?」という点に注目し、機会損失を回避する.
  • サイト流入を知る
    リファラ情報、メール、RSS から得られる情報をまとめ、「コンバージョンに結びついたケースは何か?」を知る。つまり、流入〜コンバージョンまでの経路を分析する。
  • ユーザを分類する
    「属性」「行動」の2面でユーザを分類する。「属性分類」は、会員/非会員、ユーザステータス、ジオグラフィック情報、来訪回数を分析。
    「行動分類」は、流入元、サイト内で参照/利用したものを分析していく。

この他、「リマーケティング」を如何に効率良く実施するかという点で、「レコメンデーション」「リテンション」の効率化を挙げられていました。レコメンドにしろ、リテンションにしろ、ユーザ分析の正確性の上に成り立つわけなので、結局は如何に最適な分析を行うかということに集約されるわけですね。

また、「Actions Speak Louder than Words」と仰られていました。正確な分析結果は現実的な行動なのでこの言葉は正なのでしょうが、アンケートと分析の結果が乖離していた場合、単純にアンケート結果よりも分析に重きを置くというのは少々強引過ぎる印象を受けました。アンケートに含まれる期待値は、行動分析で得るのは難しいでしょうから。

オラクル CMS の実力 〜日本オラクル 渡邊さん

オラクルの CMS、Oracle UCM(Universal Content Management)はすごいですよ、というお話。
CMS 第2世代と位置づけた ECM(Enterprize Content Management)のソリューションとして展開しているミドルウェアです。恥ずかしながら ECM って?というところから入ったのですが簡単に言うと、従来の CMS がウェブコンテンツの管理を目的とするのに対し、ECM は企業の持つすべてのコンテンツを管理対象とすることを目的としています。

ということで、Oracle UCM はこの ECM システムという位置づけになるのですが、「Word ドキュメントの自動 HTML 化」や「コンポーネントベースでの機能拡張」、「トータルでの EC サイト構造対応」「ネイティブ/ 各ベンダ製アクセス解析への対応」など、機能的な魅力を持っていますよと。

ECM の考え方は CMS 本来の目的だと思うので、より身近なアプリケーションになってくると良いなと思います。でも、やっぱり Oracle は高いですよね。

キーパーソンが見る WEB 業界 〜トークセッション〜

ワンパク 阿部さんコンセント 長谷川さん郵便事業株式会社 筒井さん読書家 森田さんによる、ウェブ業界の今とこれからについてのトークセッションでした。森田さん、読書家って…。

「ユーザのためとは?」「ユーザ中心?サイト中心?」「2010年に向けて」の3つテーマが掲げられていましたが、結構別の別のところを走りながらも興味深いトークセッションでした。

キーワードは「ターゲットの明確化」。ターゲットを明確にすることで期待できるメリットは多くありますが、ターゲットを絞ることに因るリスクを知ること。それから、ビジネス戦略のターゲットと Web 戦略のターゲットを混同してしまわないこと。 これらを留意しましょうと。

この他、PDCA やら HCD、KPI なんかの話題も出てましたが、どれも「何のためにそれするの?」ということをしっかりと考えることの必要性を説かれていました。結局は、「顧客満足度(CS)」を引き上げる」ための手段であって、その行為自体を目的とするのはナンセンスですよと。ごもっともです。

スピーカーのみなさま、ありがとうございました。

Think Think Think。

2009年10月17日 土曜日

縁あって、コミュニケーションデザインな某社にお邪魔させていただきました。
まだ創設数年の若い会社ですが、制作コンテンツのキワドさ、やりきるパワーが眩しい。そんなイメージ。

伺うことになった経緯は、私が採用に応募した際、時期が悪いので今は採用していないのだけど、1度遊びにきてみませんか?とお誘いいただいたことにあります。お言葉に甘えて本当に遊びに伺ってしまった私でしたが、なんと、代表はじめ役員御三方が勢揃い!のっけからの先制パンチに既にワキ汗だくだくな私…。

会社の組織的なお話、スタッフに求めるマインドのお話、クライアント(案件)への関わり方のお話。当初抱いていたイメージだけでなく、飛び道具的なインパクトの裏にある確かなモノづくりへの姿勢をビンビンに感じました。

中でも、「考えること」の捉え方。
すべてのスタッフにしっかりと「考えること」を要求する。制作会社の多くにありがちな所謂オペレーターではなく、ひとりひとりが考えた上でコミットし、共有して、手を動かす。イスの位置 1cm、フィギュアのブランド。1つ1つを考えて形にしていくことで、ああいうコンテンツやサイトを作っているんですね。

そしてやはり「楽しむ」こと。
調子にのってスタッフさんが残る現場まで拝見させていただいたのですが、みなさん楽しそうに手を動かす姿が印象的でした。真剣に取り組むことと、仏頂面で画面を睨むことは違います。コミュニケーションをとりながら作り上げるのを楽しむことは、素敵なことです。

なんだか上から目線な感想になってしまっているのではと気になりますが、本当に魅力的で刺激になりました。今後の制作サービス、コンテンツも楽しみにしています!ありがとうございました。

モバイル Flash メモ。

2009年10月16日 金曜日

パソナ主催の「モバイルアプリケーションで
Flash を活用する際のポイントと最新事例」
に行ってきました。ちょうど iPhone for flash 辺りから、モバイル Flash(Flash lite)の現状も気になっていたので、テーマとして非常に良いタイミング。スピーカーは、株式会社hi-posiの岡田さん。

内容と共に、Flash Lite について気になった点を備忘録としてメモ。

Flash Lite ノウハウ

  • 推奨バージョン:
    基本は ver. 1.1。強気でいくなら ver. 2.0。
  • 推奨サイズ:
    Max 100KB。基本的に外部ロード込み。
  • 使えるボタン:
    方向キー、決定キー、数字キー(0〜9、#、*)
  • 外部アクセス:
    サイズが許す限りは可能。ただし、トリガーとなるのはユーザ操作時(決定キー、数字キーのクリック)のみ。
  • 推奨フォント:
    デバイスフォントで 12px か 24px だと個体差が小さい。12px の場合は 最大19文字/行、24px の場合は 最大9文字/行 がおおよその目安。
  • メモリ:
    1MB が目安。2MB 程度の端末が多い中、au の一部の端末で最小 1MB というものがある。

推奨バージョンが ver.1.1 という点からも、Flash Lite が出始めた頃(6年ぐらい前?)から大きく変わった点はないなというのが正直なところ。ver.3.0 が出て AS2 を使える!という点も、ガラパゴスな日本仕様のケータイ市場では現実感は乏しい。

制作のキモ

  • SWF をサーバでジェネレートする
    外部ロードはトリガーが必要になるので、SWF をいかにユーザ環境に最適化するかがキモになる。そのため、サーバ側でジェネレータを用意できるとベター。
  • メモリ消費を抑える
    シェイプの線の使用を控え、塗りでがんばる。
    複雑なグラフィックの使用を避ける。
  • 1フレーム目の描画落ちを考慮する
    Flash のバグなので、1フレーム目はオブジェクトの描画ではなく、変数宣言等を行う。

1点目の SWF のジェネレートは何がスタンダードなのか気になっていたのだけど、制作会社(コンテンツホルダー)側が自作しているケースが多いようだ。個人で作り込むとなると Ming かなと。ジェネレートアプリ作ったら結構美味しそうな気がするけど、どうなんだろうか。

Flash > HTML5 ?

2009年10月9日 金曜日

HTML5 による Flash 不要論が上がりつつも、時期が時期だけにまだ致命傷を負っていないわけだが、この対立について、Life is beautiful の中島さんがエントリされていた。

エントリは、Flash vs HTML5 の様相にモバイル(スマートフォン)マーケットの状況を加え、Adobe vs Microsoft vs Google vs Apple の4つ巴に注目したものだ。ただこれは、先の MAX のアナウンス(Adobe が CS5 で iPhone アプリのパブリッシュを実現可能とする)より前のエントリのため、今だと若干異なる予想になるのかもしれない。

スマートフォンへのコミットに一歩出遅れた感のあった Adobe が、iPhone に Player を載せることは出来なかったとはいえ、アプリ開発側から喰らいついたカタチとなった。やはり Apple 側の制約はある程度出てくるのだろうが、大きなひとくちになりそうな期待はある。

さらに、この iPhone へのアプローチの仕方を考えると、HTML5 についても同様に、「Flash から HTML5 をパブリッシュできます」 というアナウンスを耳にする日が現実味を帯びる。

Flash CS5 のあれこれ。

2009年10月7日 水曜日

アメリカで開かれている Adobe MAX で、Flash CS5 で iPhone アプリのパブリッシュが可能になるとアナウンスがあった。詳細は Adobe Labs から確認できる。

アナウンス後から Flasher の間で祭な雰囲気が流れ、ブログエントリも多数見られた。iPhone アプリ関連についてはその辺りに任せて、iPhone アプリをパブリッシュできること以外の CS5 の新機能にフォーカスしてみる。

主な新機能は次の 5 点。

Text Layout Framework(TLF)のビルトイン化

Flash Player 10 から可能になった TLF が、CS5 ではビルトインとして利用が可能になる(CS4 では MXP 提供される TLF をインストールする必要がある)。

XML ベースの FLA ファイル

FLA ファイルのメタデータが XML ベースで管理されるということ(?)。これによって、FLA のバージョン管理を可能とし、チームデベロップが容易に。

コードスニペットパネル

事前に作成済みのソースコードを、プロジェクトで利用可能となる。

Flash Builder との統合

Flash の ActionScript エディタとして、Flash Builder を使用可能に。Good bye アクションパネル!

Action Script エディタの改良

ネイティブクラスだけでなく、カスタムクラスのコード品とや自動補完が可能に。Welcome back アクションパネル!

正直なところ、機能面ではコレといって興味深い機能アップがあるとは感じられなかった。やはり iPhone アプリのインパクトに集約されるといったところか。 願わくば、CS5 がリリースされる頃の iPhone には、Flash Player が載って欲しい。