アドビジャパンの西村さんから、先日の Adobe MAX のレポートを伺ってきました。Flash Platform、Flex4、Flash CS5 とざっくりとしたお話でしたが、広くキャッチアップさせていただきました。
Flash CS5 のポイント
先日のエントリでもざっと書きましたが、やっぱり iPhone ネタがポイントみたい。ということで、プラスポイントはこんなとこ。
- IK に物理エンジン搭載
オーサリング時、IK 対象のみという前提で、物理エンジンが載ってます。ネイティブクラスで物理エンジン載せちゃえばいいのに。
ちなみに、iPhone アプリコンテンツは、ゴリゴリのアプリ開発ではなく、ライトコンテンツの開発を推奨するものとしての位置づけらしい。要は、Flash で iPhone アプリを作ることで、iPhone アプリとしてだけでなく当然 swf コンテンツとしてもパブリッシュできるわけだから、アプリケーションを効果的にプロモーションできるよ、というのがポイント。
AIR 2.0 はここがスゴい
- USB ストレージ検知
外付けデバイスの検知が可能に。 - Webkit の進化
HTML5、CSS3 をサポート。ただし、やはりフルサポートではないとのこと。そりゃそうだよね…。 - パフォーマンスの向上
モバイルでの利用を視野に入れたパフォーマンスアップ。 - ネイティブプロセス API との連携
AIR から他プロセスをどこまでゴニョゴニョできるかによるけど、これはスゴいのでは?
Flash Player 10.1
スマートフォンに Player 10 が載るよ、ということで、モバイル向けにチューニングが行われているとのこと。大きなポイントは 2点。
- パフォーマンスの底上げ
実効メモリが 55% 減だそうだ。信じて良いのかな…。 - マイク入力への対応
OpenScreen Project の効果で、米国ではほぼすべてのスマートフォンに Player 10 の搭載を見込んでるそう。Project に参画している企業もそうそうたる顔ぶれで本気な感じです。google なんかも入ってるんだけど、日本の企業は docomo ぐらい。au や softbank は後追いになるのでしょうか。それともスルー?
Flash Platform の進化
Platform については、これまでの構想に Services というブロックが加わりました。
- Distribution
ブログや SNS でトラッキングを実現。 - Collaboration
CoCoMo ですね。 - Social
Facebook や Twitter など、ソーシャルサービスとの連携の強化。たぶん。 - Monetization
プロジェクト SHIBUYAが始動中。乱暴に言うと、iTMS みたいなものかな。
と、こんな感じ。
最後に、私感。
Flash のモバイルマーケットでのポジションが気になるところ。上のレポートには無いけれど、何気に Flash Lite も 4.0 が発表されているのだ。セミナー後に西村さんとお話させていただいたのだけど、どうやら Flash Lite は ver.4 が最後のメジャーバージョンになる模様。まぁ、フルバージョンの Player 10 の搭載が進んでいるのだから当然と言えば当然の流れ。
日本のモバイル市場では、なんだかんだで未だに ver.1.1 がスタンダードだし、ver.4 が出たところで正直何のインパクトも無さそう。ただ、いまいち市民権を得られないていないスマートフォンが、今後日本でどう伸びるのか。それ次第だけど、日本の Flasher はもうしばらくの間、PC 向けクリエイターとモバイル向けクリエイターの棲み分けが続きそう。モバイルサービス・コンテンツ企業は、この辺りの流れをどう捉えているのか気になるところです。