‘日記’ カテゴリーのアーカイブ

グリーの対キャリア戦略。

2009年9月3日 木曜日

元ドコモの夏野剛氏、グリーの社外取締役に就任が正式決定したようだ。

グリーといえば、一時期の低迷期を乗り越え、モバイル上での無料ゲーム(アイテム課金) の成功でいわずと知れたいま右肩上がりの企業だ。グリーは元々 au(KDDI)との親和性が高く、デフォルトアプリとしても au 端末に搭載(EZ GREE)されるほどだった。

それが今回、 とは言え、ドコモのトップにいた夏野氏を社外取締役に迎え入れる形となった。この動きが意味するところは何だろうか?

gree の現状、市場動向を鑑みても、モバイルでのユーザの獲得、市場の拡大を進めることに異論を挟む余地はない。夏野氏の持つドコモ、ドワンゴでの経験と対海外戦略を gree に取り入れ、船首を内から外に転換する日も近いのかもしれない。

777 塾 塾生のハードル。

2009年8月25日 火曜日

福田敏也氏の私塾である 777 塾が、秋の新規塾生の募集を開始していた。

福田氏といえばいわゆるマス広告のスゴい人という強いイメージがあったのだけど、今はウェブからショップなんかのブランディングまで手掛けてしまう、やっぱりスゴい人。

777 塾は、そんな福田氏が若手育成の場として開いている私塾。今までは氏と何らかの繋がりのある人だけに限られていたが、今回は広く人を募ってます。

条件は「30歳までのクリエイター」。ギリです。

応募は 9月8日 まで。
鳥取県を活性化させる企画が選考対象となるので、しっかり考えよう。

デザインの輪郭。

2009年8月23日 日曜日

深澤直人さんの「デザインの輪郭」を読みました。
深澤さんが「ひとりごとのようなもの」と記されているように、深澤さんの当時のデザイン観がゆったりと語られた内容です。

深澤さんといえば、±0 が思い浮かぶ人が多いのではないかと思います。私自身も、±0、au の Infobar などプロダクトデザイナーとしてのお名前しか知りませんでした。本書を拝読して、深澤さんのデザインの姿勢が、所謂ふつうの生活に根付いたものであるという印象を持ちました。

印象的だった内容を抜粋しておきます。

Without thought。

僕がこれを考えたように見えるといわれますが、それは僕が考えたわけではなくて、そうなるべき姿であったということの結果だと思います。

“傘立てのデザインの1つの解としてのタイルの溝” を挙げて、これを「行為に溶けるデザイン」とも述べられています。そして、デザインを先行して思案者の勝手な理屈やストーリーを展開するのではなく、行為に内包されている事象と記憶の中からデザインのきっかけを見い出すことの重要性を説いています。

確かに、後付けされた理屈は、初見のインパクトやその場しのぎには効果はありますが、デザインを長く捉えた時の色褪せ方というか魅力に欠けるものだと、妙に納得してしまいました。まぁ、後付けする理屈のクオリティにも依りますが…。

気付きのズレ、遅れの妙味

最初に見たときに、そのかたちの意味がよくわからないというのがいいと思う。なにかあたりまえなことをしていて、それが立ち現れてきたときに、「あれ?」・・・「!」となるのがいい。 – (中略) – この気付きのズレ、遅れがいいと思っている。このわずかな気付きのタイムラグは、作者が見いだした意識の中心を辿って到達するまでの時間のズレであり、作者の思いに受け手が追いつく時間のズレである。

これは、先日読んだ「なぜデザインなのか」の中で原さんが仰っているように、「”わかった” の先にある何かを芽生えさせる」ことに近く、私のやりたい・やらねばならない意識の持ち方だと思いました。

裁判員制度に見るメディアのあり方。

2009年8月7日 金曜日

歴史的な改革と呼ばれ始まった「裁判員制度」。その初判例は、懲役15年(求刑16年)という判決で一旦幕を引いた。

裁判の4日間、マスコミは連日こぞって審理の状況を報道していた。
今回の判例は殺人罪。刑事事件としても相当シビアな判例であることは間違いない。その上、裁判員制度の初判例なのだから、マスコミや世論が注目することは当然だろう。

さて、報道の主はなんだったろうか?

私は、ほぼすべてのメディアの視点が、選出された日本初の裁判員の一挙手一投足に向けられていたことに嫌なものを感じずにはいられなかった。これは裁判なのだ。制度のお披露目会ではないのだ。

犠牲になった人がいる。犠牲になった人の遺族がいる。そして、加害者がいる。

判定が下り、メディアも世論の興味もこの判例から日に日に離れていくのだろう。我々の日常において人を裁くという場は身近ではないから、しようがないことかもしれない。

だが、考えなければいけない。

もし自分が、今回の初判例のような事件の関係者だったとしたら?自分たち自身のことなのに、そこを無視して別なところばかりにフォーカスされていることを、どう感じるだろうか?

人の命が奪われたという事実。裁判員制度は、その事実を検証し正しく裁くための1つの手段に過ぎないことを忘れてはいけない。

Twitter でつぶやきマーケティング。

2009年8月4日 火曜日

twitter

先日のヒウィッヒヒー の件しかり、今や日本でも Twitter は着実にそのユーザの幅を広げつつある。
そんな中、Twitter のバイラル効果を期待したマーケティング戦略を模索する企業もまた増えているようだ。ユーザ数が増えれば、それだけマーケットが拡大するのだから、当然の流れと言えよう。

調べてみると、Twitter の使われ方にいくつかのケースが見られた。

アウトレット商品のバーゲン情報配信 米デル

これにより、300万ドルもの売り上げを達成したとある。ただし、Twitter 経由での売り上げなのか、Twitter でつぶやき始めてからの総売げなのかは不明だ。

アウトレット商品や限定商品など、個体数に限りがあるアイテムを一種のタイムセールとして販売することは、購買層への刺激にもなる。
また、タイムセールに必要なリアルタイムな告知についても、メールや RSS、ウェブサイト上での告知よりも、Twitter でのつぶやきを拾った方が、何となくリアルを感じる。「いまから○○が安いよ」だとか「今日はイキのいい××が入ってるよ」のような、耳に懐かしいコトバを目にすることで、ネット上に販売相手を感じることができるのだ。

また同様のケースとして、ニューオーリンズのピザ屋では、15% の売り上げ増を達成したそうだ。
この店舗では、Twitter ID を看板に書き、フォロワーの増加に積極的だったということも成功要因の1つだろう。これも 15% 増という結果が Twitter 経由のみかなのかは不明だが、ピザ屋という町の特定のエリアを商業対象とする店舗の売り上げを延ばしたという点は評価できると思われる。

カスタマーサポート窓口 StarbucksWells Fargo

やはり即時性が求められるものこそ、Twitter の本領だろう。
カスタマーサポートを Twitter 上で行うメリットは幾つか考えられる。

  • ブランディング力の向上
  • ユーザの生の声の収集
  • トラブル発生前でのユーザへのサポート
  • 企業側からのユーザへの問いかけ

従来のカスタマーサポートというのは、ユーザーが疑問や苦情を企業側に投げかけ、企業側がそれに答えるというものだ。問いに対して解があるため、電話や手紙(メール含め)が使われてきた。これは、1対1であり、「ユーザー→企業」の一方通行のサポートに見える。

これに対し、Twitter 上のカスタマーサポートでできる最大のメリットは、上記4つ目の企業からのユーザへの問いかけだと思う。Twitter 上であれば、フォロワーの数だけ「多対1」の状況ができ、さらに、「企業→ユーザー」への問いかけも出来る。

例えば、掃除機であれば、「畳を掃除する際はどういう設定で掃除してる?」だとか。そうすることで、1つの問いかけがお互いに非常に有用なコミュニケーションとなり、ディスカッションに発展することを期待できる。

窓口となるサポートデスクの負荷は今まで以上に大きくなることは確かだが、享受できるメリットもまた大きいのではないだろうか。