「明日の Web デザインへのヒント」ということで、RIA コンソーシアム主催のビジネスセミナーに出席してきました。
私の勝手なイメージでは、RIA と Web デザインはあまり直結するモノという意識がないので、RIA コンソーシアムという団体主催の Web デザインネタというものに、単純に興味が沸いた。
全3セッションとパネルディスカッション1つという内容でしたが、中身はこんな感じ。
Gainerを使ったサービスとネットとリアル連動の可能性。 1PAC 阿部さん
お正月に一部で沸いた「Are you HOT!」というワンパクさんのセルフプロモーション的なコンテンツについてのおはなし。
ネットとリアルを連動させたコンテンツということで、所謂「福引き(ガラガラのアレ)」を Gainer を使って、且つ Web でユーザに体験してもらったら素敵だね。というコンテンツです。
ネットとリアルを連動させるということをテーマにコンテンツ作りをすることに、次のようなメリット・デメリットがあると仰っていました。
■メリット
- クリエイティブの幅が広がる
コミュニケーションデザインを考えた場合、画面とリアルの連動性の証明(見せ方)の工夫が大事。
- 消費されにくいモノが作れる
カラダを使ったコンテンツは記憶に残り易い。
■デメリット
- 運用の仕方
ソフトウェアのデバッギングだけでなく、特にハードウェアに対する運用スタイルがキモ。
- 時間とお金
確かに、実際にクライアントワークとしてプロモーションコンテンツをフィジカルネタで作りあげる場合は、運用を誰がどう対応していくかというのが非常に大きな問題になるのかなと思います。
ただ、メリットに挙げられているように、カラダを使った体験によって与えられるインパクトの強さは、目だけで得られるそれを遥かに凌ぐものだと思うので、仕事になるとおもしろそうですね。
ARを使ったBOWカードとWebにおけるARの可能性。 BOW 吉川さん
BOW さんの名刺に住んでいる AR アバターのおはなし。
BOW cARd は AR を使ったコンテンツということで、技術的な側面はもちろんとても面白いのですが、吉川さんが仰っていた今後の展望というか、クリエイションに対する姿勢がとても素敵でした。
「生活が素敵になっていくものを作りたい。AR はその手段の1つ。」と。
先日読んだ「なぜデザインなのか。」でも原さんが書かれていましたが、デザインというものは生活を豊かにするためのものであるべきだということ。モノを作る以上、いつもその意識は中心に置いておかないといけませんね。
リアルと連動したコミュニケーションとデザインのこれから。 セミトラ 菅井さん & 田中さん
akarium と color tokyo 2つのプロジェクトについてのおはなし。
言わずと知れた両プロジェクトですが、セミトラさんのクリエイティブワークには次のようなポイントがあるようです。
- シンボルになり得るものをつくる
「なり得るもの」と書くとちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、そのコンテンツのインタラクションがその場のシンボルになることを意識して作っているようでした。
- ユーザに解釈を委ねる
使い方を懇切丁寧に示すのではなく、アソビというか揺れ幅の余地をある程度残すことで、自然発生的に Buzz が起きることを期待する。
ポイントの2つ目については確かに仰るとおりで、ユーザビリティだとかアクセシビリティが狂ったように重要視されていましたが、ユーザの経験に頼ることで新しい使われ方や展開が生まれることの期待値も、絶対に忘れてはいけないことですね。
これからの Web。明日のデザインとは?(パネルディスカッション)
パネラーとして、ビーコン・コミュニケーションズの渡辺さん、トリプルセブン・インタラクティブの福田さんが加わり、Web コンテンツ制作のいまについて語ってくれました。
興味深かったのは、旧来のマスメディアとインターネット、各々の領域で生きてきたクリエイターのボーダーがなくなっていくんじゃないか?もしくは、ボーダレスになることでもっと面白いものが出てくるんじゃないか?というもの。
確かにいままでは、CM や映画を作ってた人たちが Web に流れてくるというパターンは良く目にするけど、その逆というのは中村勇吾さん(UNIQLO、iida)とかほんの一握りだと思う。これからは、そういう逆輸入みたいなものづくりにも期待大です。願わくば、私もそういう一線で戦って行きたいと思います。
スピーカーの皆さま、お疲れさまでした。