‘web’ カテゴリーのアーカイブ

明日の Web デザインへのヒント。

2009年8月6日 木曜日

ria

明日の Web デザインへのヒント」ということで、RIA コンソーシアム主催のビジネスセミナーに出席してきました。

私の勝手なイメージでは、RIA と Web デザインはあまり直結するモノという意識がないので、RIA コンソーシアムという団体主催の Web デザインネタというものに、単純に興味が沸いた。

全3セッションとパネルディスカッション1つという内容でしたが、中身はこんな感じ。

Gainerを使ったサービスとネットとリアル連動の可能性。 1PAC 阿部さん

お正月に一部で沸いた「Are you HOT!」というワンパクさんのセルフプロモーション的なコンテンツについてのおはなし。

ネットとリアルを連動させたコンテンツということで、所謂「福引き(ガラガラのアレ)」を Gainer を使って、且つ Web でユーザに体験してもらったら素敵だね。というコンテンツです。

ネットとリアルを連動させるということをテーマにコンテンツ作りをすることに、次のようなメリット・デメリットがあると仰っていました。

■メリット

  • クリエイティブの幅が広がる
    コミュニケーションデザインを考えた場合、画面とリアルの連動性の証明(見せ方)の工夫が大事。
  • 消費されにくいモノが作れる
    カラダを使ったコンテンツは記憶に残り易い。

■デメリット

  • 運用の仕方
    ソフトウェアのデバッギングだけでなく、特にハードウェアに対する運用スタイルがキモ。
  • 時間とお金

確かに、実際にクライアントワークとしてプロモーションコンテンツをフィジカルネタで作りあげる場合は、運用を誰がどう対応していくかというのが非常に大きな問題になるのかなと思います。

ただ、メリットに挙げられているように、カラダを使った体験によって与えられるインパクトの強さは、目だけで得られるそれを遥かに凌ぐものだと思うので、仕事になるとおもしろそうですね。

ARを使ったBOWカードとWebにおけるARの可能性。 BOW 吉川さん

BOW さんの名刺に住んでいる AR アバターのおはなし。

BOW cARd は AR を使ったコンテンツということで、技術的な側面はもちろんとても面白いのですが、吉川さんが仰っていた今後の展望というか、クリエイションに対する姿勢がとても素敵でした。

「生活が素敵になっていくものを作りたい。AR はその手段の1つ。」と。
先日読んだ「なぜデザインなのか。」でも原さんが書かれていましたが、デザインというものは生活を豊かにするためのものであるべきだということ。モノを作る以上、いつもその意識は中心に置いておかないといけませんね。

リアルと連動したコミュニケーションとデザインのこれから。 セミトラ 菅井さん & 田中さん

akarium と color tokyo 2つのプロジェクトについてのおはなし。

言わずと知れた両プロジェクトですが、セミトラさんのクリエイティブワークには次のようなポイントがあるようです。

  • シンボルになり得るものをつくる
    「なり得るもの」と書くとちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、そのコンテンツのインタラクションがその場のシンボルになることを意識して作っているようでした。
  • ユーザに解釈を委ねる
    使い方を懇切丁寧に示すのではなく、アソビというか揺れ幅の余地をある程度残すことで、自然発生的に Buzz が起きることを期待する。

ポイントの2つ目については確かに仰るとおりで、ユーザビリティだとかアクセシビリティが狂ったように重要視されていましたが、ユーザの経験に頼ることで新しい使われ方や展開が生まれることの期待値も、絶対に忘れてはいけないことですね。

これからの Web。明日のデザインとは?(パネルディスカッション)

パネラーとして、ビーコン・コミュニケーションズ渡辺さんトリプルセブン・インタラクティブ福田さんが加わり、Web コンテンツ制作のいまについて語ってくれました。

興味深かったのは、旧来のマスメディアとインターネット、各々の領域で生きてきたクリエイターのボーダーがなくなっていくんじゃないか?もしくは、ボーダレスになることでもっと面白いものが出てくるんじゃないか?というもの。

確かにいままでは、CM や映画を作ってた人たちが Web に流れてくるというパターンは良く目にするけど、その逆というのは中村勇吾さん(UNIQLO、iida)とかほんの一握りだと思う。これからは、そういう逆輸入みたいなものづくりにも期待大です。願わくば、私もそういう一線で戦って行きたいと思います。

スピーカーの皆さま、お疲れさまでした。

Twitter でつぶやきマーケティング。

2009年8月4日 火曜日

twitter

先日のヒウィッヒヒー の件しかり、今や日本でも Twitter は着実にそのユーザの幅を広げつつある。
そんな中、Twitter のバイラル効果を期待したマーケティング戦略を模索する企業もまた増えているようだ。ユーザ数が増えれば、それだけマーケットが拡大するのだから、当然の流れと言えよう。

調べてみると、Twitter の使われ方にいくつかのケースが見られた。

アウトレット商品のバーゲン情報配信 米デル

これにより、300万ドルもの売り上げを達成したとある。ただし、Twitter 経由での売り上げなのか、Twitter でつぶやき始めてからの総売げなのかは不明だ。

アウトレット商品や限定商品など、個体数に限りがあるアイテムを一種のタイムセールとして販売することは、購買層への刺激にもなる。
また、タイムセールに必要なリアルタイムな告知についても、メールや RSS、ウェブサイト上での告知よりも、Twitter でのつぶやきを拾った方が、何となくリアルを感じる。「いまから○○が安いよ」だとか「今日はイキのいい××が入ってるよ」のような、耳に懐かしいコトバを目にすることで、ネット上に販売相手を感じることができるのだ。

また同様のケースとして、ニューオーリンズのピザ屋では、15% の売り上げ増を達成したそうだ。
この店舗では、Twitter ID を看板に書き、フォロワーの増加に積極的だったということも成功要因の1つだろう。これも 15% 増という結果が Twitter 経由のみかなのかは不明だが、ピザ屋という町の特定のエリアを商業対象とする店舗の売り上げを延ばしたという点は評価できると思われる。

カスタマーサポート窓口 StarbucksWells Fargo

やはり即時性が求められるものこそ、Twitter の本領だろう。
カスタマーサポートを Twitter 上で行うメリットは幾つか考えられる。

  • ブランディング力の向上
  • ユーザの生の声の収集
  • トラブル発生前でのユーザへのサポート
  • 企業側からのユーザへの問いかけ

従来のカスタマーサポートというのは、ユーザーが疑問や苦情を企業側に投げかけ、企業側がそれに答えるというものだ。問いに対して解があるため、電話や手紙(メール含め)が使われてきた。これは、1対1であり、「ユーザー→企業」の一方通行のサポートに見える。

これに対し、Twitter 上のカスタマーサポートでできる最大のメリットは、上記4つ目の企業からのユーザへの問いかけだと思う。Twitter 上であれば、フォロワーの数だけ「多対1」の状況ができ、さらに、「企業→ユーザー」への問いかけも出来る。

例えば、掃除機であれば、「畳を掃除する際はどういう設定で掃除してる?」だとか。そうすることで、1つの問いかけがお互いに非常に有用なコミュニケーションとなり、ディスカッションに発展することを期待できる。

窓口となるサポートデスクの負荷は今まで以上に大きくなることは確かだが、享受できるメリットもまた大きいのではないだろうか。

広告媒体から見た世界と日本。

2009年8月3日 月曜日

少し前に広告コンテンツ制作の相談を頂いた際に、数ある広告媒体の内、ネット広告はどのぐらいの母数があって、どのぐらいの影響力を持ってるのだろうと気になることがあった。調べてみると、若干当初の主旨からはズレてしまったが、日本と世界を比較した現状を分かり易くまとめているブログエントリがあったので、備忘録としてメモしておこう。

 via: インターネット広告費の比率,日本は欧米より低い

これによると、欧州諸国に比べ、アメリカ・日本における総広告費に対するネット広告費の占める割合は高くないというのが現状のようだ。上記ブログエントリにも記載されているとおり、日本のネットインフラは他国と比較しても PC、モバイルともに十分な環境が整っているはず。

それにもかかわらず、このグラフが示すところは何だろうか?

あの人にも写真を届けよう picwing。

2009年7月26日 日曜日

撮った写真をメールで送ると、指定した住所に現像した写真を郵送するサービス 「picwing」。

「やっぱり写真は現像してアルバムに」、「おじいちゃんとおばあちゃんに孫の成長を写真で」という人は少なくないはず。
そんな人には、フィルム写真と比較してデジカメだとどうかといった点は別にして、その手軽さは素敵だ。
金額も、海外なので別途輸送費がかかるが、1枚当たり $0.20 だから、コンビニでデジカメプリントするのと大差ない。

これは写真をプリントするサービスだけれど、動画をメディアに焼いてラベリングまでして届けるのはムリだろうか。

例えば、結婚式。先日出席した式でも、iPhone で動画を撮ってるゲストがいた。
結婚式は顕著な例だが、写メやケータイムービーで他人を撮るのは、場の雰囲気だったりノリだったりすることが多いと思う。
そういう場合(私の場合)、消すに消せないデータが結構バカにならないぐらい溜まってしまう。データをあげる、というのが一番スマートな解決方法ではあるが、その「場」から遠ざかるほど、また時間が過ぎるほど、データへの熱量の冷え方も大きい。

これに対して、もし写真も動画も郵送してくれるなら、あまり深く考えずにデータを投げることができる。
YouTube やニコ動のセレクション DVD なんていうのも作れたらいいなぁ。

購買意欲をそそるTシャツ販売サイト Tee Fury。

2009年7月20日 月曜日

TeeFury

おもしろい EC サイトが紹介されていた。

via: 一期一会的なデザインTシャツ販売サイト『TEE FURY』

紹介文のとおり、まさしく一期一会。1日1デザインのTシャツを紹介し販売するサイトだ。
いわゆる「限定モノ」としてデザインTシャツを販売するサイトなのだが、1日1デザインという「時間」での区切り方が何とも絶妙に購買意欲をそそる。
また、販売終了となったデザインもしっかりとアーカイブされていて、今回は逃さず買おうという衝動買いに近い気持ちを煽る。

オリジナルデザインのTシャツ販売サイトというと、国内でも幾つかあるが、よく見かける EC サイトと差がないのが現状だ。低価格商品が増え、大衆の購買意欲が落ち込む今、何らかの差別化がないと、短い商品サイクルで多様なデザイナとコラボレーションを始めているユニクロや、価格を落として且つデザイン向上を図る西友やしまむらなどの量販店へのアドバンテージをとることはできない。

そんな中、デザイン性の判断(気に入るか/気に入らないか)に、”購入スイッチの制限時間” が加わることで、購入へのテンションを上げる、というアプローチはおもしろい。