‘flash’ カテゴリーのアーカイブ

Flash CS5 のあれこれ。

2009年10月7日 水曜日

アメリカで開かれている Adobe MAX で、Flash CS5 で iPhone アプリのパブリッシュが可能になるとアナウンスがあった。詳細は Adobe Labs から確認できる。

アナウンス後から Flasher の間で祭な雰囲気が流れ、ブログエントリも多数見られた。iPhone アプリ関連についてはその辺りに任せて、iPhone アプリをパブリッシュできること以外の CS5 の新機能にフォーカスしてみる。

主な新機能は次の 5 点。

Text Layout Framework(TLF)のビルトイン化

Flash Player 10 から可能になった TLF が、CS5 ではビルトインとして利用が可能になる(CS4 では MXP 提供される TLF をインストールする必要がある)。

XML ベースの FLA ファイル

FLA ファイルのメタデータが XML ベースで管理されるということ(?)。これによって、FLA のバージョン管理を可能とし、チームデベロップが容易に。

コードスニペットパネル

事前に作成済みのソースコードを、プロジェクトで利用可能となる。

Flash Builder との統合

Flash の ActionScript エディタとして、Flash Builder を使用可能に。Good bye アクションパネル!

Action Script エディタの改良

ネイティブクラスだけでなく、カスタムクラスのコード品とや自動補完が可能に。Welcome back アクションパネル!

正直なところ、機能面ではコレといって興味深い機能アップがあるとは感じられなかった。やはり iPhone アプリのインパクトに集約されるといったところか。 願わくば、CS5 がリリースされる頃の iPhone には、Flash Player が載って欲しい。

Flash Video のおはなし。

2009年10月5日 月曜日

パソナ主催の講演「動画×Flash:Flashで動画を扱う際のポイントと最新事例」を聴きに行ってきました。スピーカーは Adobe 認定インストラクターの金像さん。

Youtube やニコ動に始まり、テレビ局各社のオンデマンド配信まで、いまや Flash Video の浸透具合は疑う余地もない。だって Flash だもの。私自身、その再生や停止といった簡単な制御コンテンツの作成経験はあるものの、動画そのものについてはグレーな部分が多いので、お話を伺えて良かった。

基本的な点が多いけど備忘録。

メジャーなエンコーダ

それぞれ特色はあるけれど、少々乱暴に言うと、Adobe がワリと入門向けなのに対し、サードパーティ2社はやや玄人向けといったところ。勿論、いずれも設定項目が多岐にわたって可能なので、多様な設定が可能。

特に、On2 Flix が持つ VP6-S(VP6-E ではない) というコーデッックは、非常に高い圧縮性能を持つ。

コーデックと Flash Player

  • Sorenson Spark ・・・ Ver.8 以上
  • On2 VP6 ・・・ Ver.8 以上
  • H.264 ・・・ Ver.9.0.124 以上
  • Speex ・・・ Ver.10 以上

ポイントは次の2点。

  • 単純に最新 Player 対応のコーデックを採用するのではなく、対象ユーザの環境を推測して最適なコーデックを採用する。
  • H.264 は、ver.9.0.124 以上である。Adobe オフィシャルでは ver.9.0.15 とあるが誤り

ビデオ素材の準備

ビデオ素材を用意するのはウェブ(またはコンテンツ)制作側の範疇ではないことが多いが、ディレクションをする立場にある場合は特に以下の点に留意する。

  • インターレースを除去した動画データを使う。
  • 非圧縮の動画データを使う。再圧縮はトラブルの元なので避ける。

エンコード時の TIps

  • FPS を変更する場合は、元データ FPS の割り切れる整数値にする。
    例)元データが 30 fps の場合は、15fps or 10 fps or 6fps or 5fps。
  • キーフレームを適切に設定する。
    キーフレームはシークの再生ポイントになるため、早送り/巻き戻しをする場合のキモになる。

なお、2点目のキーフレームについては、FMS を使ったストリーミング再生なら、エンハンスドシークが可能なのでキーフレームを気にしなくて良い。

ピクセル比を適切に設定する

これが正しく出来ないと、再生した際に縦長になったり横長になったりしてしまう。尚かつ、金像さん曰く、ちゃんと出来てない動画が実に多いとのこと。

Digital Video の場合
動画データ: 720 x 480 = 3:2
  ↓
【補正】左右 8 ピクセルずつ削る
  ↓
動画データ: 704 x 480 ≒ 4:3

なお、なぜ 4:3 に補正するのかは、この辺が詳しい。

そういえば、Flash やってる? AS 使ってる? といった金像さんの質問に対する反応が少なかったのだけど、出席者はどんな立場のヒトが多かったんだろう。ディレクターなのかな。

FITC Tokyo 2009。

2009年9月16日 水曜日

fitc

憧れのアノ人に逢える!ということで、FITC がジャパンに来ます。トキオに来ます。汐留です。

言うまでもなく 期待大 です。
早い内に申し込んでおくとちょっとおサイフにも優しい感じなので、みんな申し込むんじゃえば良いと思う。

APMT リポート。 〜Spark Project Tween 大喜利〜

2009年9月13日 日曜日

APMT のサブセッションである Spark Project 勉強会 に行ってきました。

題して 「Tween 大喜利」 ということで、Tween な大物の方々をスピーカーに招いて、彼らの Tween ぶりを聞かせてもらいました。スピーカーは、doke さん、fladdict さんnutsu さん、そして進行の yossy さん。そうそうたるメンバーですね。

ライトニングトークの内容はこんな感じ。(注:下記タイトルは私が勝手に付けたものです

BetweenAS3 の紹介 〜 yossy さん 〜

BetweenAS3 の「かゆいところに手が届く」感のスゴさは言うまでもないわけですが、パフォーマンスもスゴいんですよ、というお話。TweenMax、Tweensy、Tweener、GTween と比較(2万個パーティクルをウネウネさす)したところ、圧倒的なベストパフォーマンスを実現してました。
また、従来の Tween ライブラリと異なり、Tween のハンドラ(complete とか)が要らない書き方なんかもありますよ、と。
ということで、BetweenAS3 がこれからのデファクトスタンダードになるのかしら。

BetweenAS3 Updater をカスタムしよう 〜 Nutsu さん〜

前述 BetweenAS3 のコアな使い方のお話。座標やスケールなど Tween 値以外のプロパティを Tween したい場合は、Updater をカスタムしたら良いじゃない、というお話。
詳しくは、デモなんかもあがっているので nutsu さんのブログを参照。

制作現場の擬音の見える化 〜 doke さん〜

制作現場、お客様とのミーティングでは、確かに擬音が良く発せられます。Flash な人は、擬音から動きを察して作り上げる不思議なチカラを磨く必要があるわけで、doke さんは、それを見える化しちゃおうよ、と。
阿部雅世さんの Haptic Project にヒントを得たらしく、確かに 1つの擬音に1つのイージング関数をマッチングさせて共有できれば、「え。思ってたのと違う…」という寂しい一言を耳にするリスクを減らせるはず。
といっても、ギュイーン とか プルプルっ とかって、人が抱いてる印象って千差万別なんですよね。だからこそ、作ったものがお客様の想いにマッチしたときの嬉しさは格別なわけ。

Tween エンジンの拡張と移行のノウハウ 〜 fladdict さん〜

Tweener のアップデート停止宣言によって Tween 業界に激震が走ったとか走らなかったとか。というぐらい、Tweener が Flash にもたらしたモノは大きくて、我々は Tweener で賄ってたものを他の Tween エンジンに移植したりするケースが出てくるわけです。これに対して、そもそも Tween エンジンへの依存度を抑えた作り方をしましょうよ、というお話。なるほど。

最後に、トークセッションということで皆さんの実務についてのお話(以下)を QA 方式で。

  • モーションの考え方
  • イージングの種類の把握と使い分け HowTo
  • モーション組み込み時の自分ルールや鉄則
  • タイムラインの利用は?

スピーカーの皆さま、お疲れさまでした。

Spark project 勉強会 #11 に行ってきたよ。

2009年7月29日 水曜日

Spark project の勉強会に行ってきました。

Adobe からも Steven Sacks 氏が来日中ということで、GAIA Framework についてのお話を聞けました。途中(というか最初から…?)、Sacks 氏の MacBookAir がプロジェクタにつながらないらしく、Adobe Connect でプレゼンをするという不思議な光景に。同一会場なのに(笑) Adobe Connect は、前職で拠点間ミーティングに使っていたので、ちょっと懐かしかったです。

さて、各プレゼンはこんなところ。

AS3 の Zip ライブラリを拡張したよ。 – 伊藤さん -

AS3 で zip ファイルの圧縮/解凍ライブラリである nochump を、かゆいところに手が届くように拡張しましたよ、というお話。
主な拡張ターゲットは、次の3つ。

  • 圧縮時のフォルダ構成の再構築
    3つのクラス ZipEntry、ZipFile、ZipOutput をゴニョゴニョしてました。
  • マルチバイト文字列を含むフォルダへの対応
    AS 側で勝手に UTF-8 変換してしまうので、OS の文字コードに強制変換する。
  • 複数の Zip ファイルから 1つの Zip ファイルの再圧縮への対応
    一旦各 Zip を解凍すると処理時間がかかりすぎるので、圧縮データ部のみを抜いて、ラップの Zip ファイルを構成する。驚異的な改善!

多量ファイルの通信が発生する時など、Zip ファイルの圧縮/解凍を組み込むことは時々あるので、nochump についてのこういった拡張情報を得られたのはありがたいです。いつか Spark にもコミットしてくれるとのことでした。

FLARToolkit を使ったお絵描きビューワー。 – 山田さん -

FLARToolkit を使って、恐竜の皮膚の色を塗って見てみようというもの。科学博物館などで、お子さま向けコンテンツとして人気のようです。目新しさというものはありませんが、ビューワーも恐竜のモデルも、年齢を問わず触りやすそうな UI でした。AR の案件というのも今後増えてくるのかなと思いますが、技術面だけでなく的確な UI を練ることも重要ですね。AS ネタの視点とズレていてすみません…。
また、Adobe での AR 熱もかなり盛り上がっているらしく、次回 MAX でも AR ネタのセッションが幾つか予定されているとこのとでした。

GAIA Framework 使ってよ。 – Steven Sacks さん -

海外では “Soup and Bread” と呼ばれるほど、そのお手軽さが高い評価を得て、ユーザが絶賛増加中らしい GAIA Framework についてのご紹介でした。GAIA Framework は簡単に言ってしまうと、Progression のようなもの。“スクリプトを書けないデザイナも、ギークなデベロッパも、GAIA を使えば簡単に SWF コンテンツが作れちゃうよ” というのが基本コンセプトでしょうか。

たしかに、短いデモの時間でもその手軽さは十分に伝わりましたが、ここまで Progression が浸透してしまった日本での普及は難しいのではないかというのが率直な感想でした。ただ、AS2 でもいける という点は良いですね。

Progression 4 の開発進捗報告。 – 阿部さん -

“Soup and Bread” に対して、”ごはんとみそ汁” なフレームワーク Progression ですが、今秋にはもうバージョン 4 のパブリックベータがアップ予定とのことでした。

気になる新機能として、次の3点が紹介されました。

  • シーン階層の自動調整
    シーンを外部ファイル化した場合に子のシーン(swf)だけを再生すると、シーン階層の相対パスが崩れてしまうので正常に動かないはずですが、この相対パス部を自動的に調整してくれるそうです。
  • アプリケーションのコンフィグ
    コンテンツの特性に応じて、BasicAppConfig、WebConfig、LWAppConfig(=LightWeight) などを指定することで、諸々最適化されるそうです。特に、LWAppConfig だとベースの swf サイズがなんと半分!ブログパーツの作成には有効ですね。
  • キャストコンポーネントのオートラベリング
    キャストオブジェクトをステージに配置した際に、コンポーネントに必要なラベルを自動的に配置してくれるというもの。コンポーネントプロジェクトをする人には朗報です。

あと1時間ぐらい余裕があったら、もうちょっとおもしろいお話が聞けそうでした。特に GAIA とか Progression とか。スピーカの皆さん、お疲れさまでした。