@IT 主催のリッチクライアントカンファレンスに行ってきました。
リッチクライアントということで、Java、Silverlight、WPF、そして Adobe と各技術を用いた事例の紹介や、導入のメリット、最新技術の動向についてのお話がありました。
一種の流行りなのか会場はほぼ満席。スーツ率が高かったので、かっちり技術系の方が大部分なのかなと。ただ、ワリと女性が多かったのが意外です。
各セッションのメモと雑感は以下。ホントは幾つかのセッションは退出予定だったのだけど、結局全部聴いてきました。Silverlight / WPF もやってみたいなぁ。
エクスペリエンス・テクノロジー最新動向 〜野村総研 田中さん〜
より良い経験価値を作り出す技術を磨きましょう、というお話。
機能や性能といった物理的な点から得られる価値以上の経験を付与することで、差別化ができますよということ。
エクスペリエンステクノロジーを向上させるためには、大きく3点を考える。
- 機能性・表現力・性能の向上
そのもの自体の機能的な底上げをする。そもそもある程度のクオリティがなければお話しになりません、ということ。 - より人間的な UI 技術の導入
ビル・ゲイツも提唱しているナチュラルインターフェースってやつですね。やはりヒトが相手だということを忘れずに。 - エクスペリエンスを加える要素の追加
ユーザを理解すること。ペルソナは珍しいことではないが、単に属性のみを持つペルソナではなく、行動や声をトレースしたペルソナを構築する。
ユーザ中心で真に使える RIAを実現する 〜マイクロソフト 春日井さん〜
マイクロソフトの RIA ということで、Silverlight を用いた場合の RIA 開発のアプローチのお話。モノとしては、Silverlight を IIS と併用すると動画のバッファリングをストレスレスで楽しめますよと。また、Expression Blend 3 という幾つかに分かれたパッケージのお話も。
開発アプローチについては、イテレーション開発を提唱されてます。要は、要求・分析・設計の初期3フェーズにおいてプロトタイピングを交えて繰り返すことで、より良いアプリケーションの構築に繋がるというもの。
プロトタイピングがキモになるわけで、前述の Expression Blend 3 にリンクする。これは、Adobe の Catalyst と同じポジションのプロダクトになるのだけど、デモを拝見した限りでは、ペーパープロトタイピングにもう少しチカラを入れた程度で作っていけそうで、好感触でした。
デザインアプローチの RIA 開発
Catalyst についてのお話。FxUG とかその辺りの勉強会で伺っていた内容だったので、だいぶ物足りない感じでした.Max ネタとか、もうちょっと突っ込んだところを伺いたかったなと。
野村総研の田中さんも仰っていましたが、「ヒトが使う」ということをきちんと考えてデザイン(設計と UI デザイン)することを提唱されていました。RIA だからこそ、派手さや技術一辺倒ではなく、目的という軸をブレないようにする必要がありますね。
プロトタイプ型ワークフローと UI 設計 〜ビジネスアーキテクツ 伊原さん〜
MS しかり、Adobe しかり、「イテレーション開発したら良いじゃない」という流れなわけで、重要になるのがプロトタイピング。というわけで、プロトタイプのススメ。
ただ単にプロトタイプを作るのではなく、ユーザのためのプロトタイピングであることに注意する。よく陥るバッドケースとして、自分をユーザに投影してしまうことが考えられる。要件を知っているユーザ≠真のユーザであることを忘れてしまうと、そこには錯覚と混乱にまみれたモノができあがってしまう。
総括
各ベンダセッションの内容がもろかぶりなのは、結局いまのクライアントアプリケーション市場で求められてるところは一緒だってことですね。それから、しっかりと使うヒトを意識してモノづくりをしましょうね、と。